事前確定届出給与のすすめ                              
                                       
    平成18年12月に国税庁から公表された『役員給与に関する質疑応答事例』の      
    問7と問8の事案です。                          
                                       
                                       
問7   当社(年1回3月決算)では、平成18 年6月26 日の定時株主総会において、取締役Aに対して、
    定期同額給与のほかに、同年12 月25 日及び平成19 年6月25 日にそれぞれ
    300 万円を支給する旨の定めを決議し、届出期限までに所轄税務署長へ届け出ました。
    この定めに従い、当社は、平成18 年12 月25 日には300 万円を支給しましたが、
    平成19 年6月25 日には、資金繰りの都合がつかなくなったため、50 万円しか支給しませんでした。
    この場合、平成18 年12 月25 日に支給した役員給与についても,損金の額に算入されないことになるのでしょうか?
                                       
                                     
  図解します。 取締役Aの役員報酬です。             未払      
                  事前確定届出給与に該当する部分。                  
                                     
                                     
            定期 同額 給与 該当する部分                
                                       
                                     
H18.4.1 H18.6.26         H18.12.25     H19.3.31 H19.6.25      
                             
                                     
回答 (定めどおりに支給されたかどうかの判定)について、次のように回答しています。        
                                     
  ご質問のように、3月決算法人が当該事業年度(平成19 年3月期)中は定めどおりに支給したものの、
  翌事業年度(平成20 年3月期)において定めどおりに支給しなかった場合は、その支給しなかったことにより
  直前の事業年度(平成19 年3月期)の課税所得に影響を与えるようなものではないことから、  
  翌事業年度(平成20 年3月期)に支給した給与の額のみについて            
  損金不算入と取り扱っても差し支えないものと考えられます。              
                                     
つまり 18年の12月の事前確定届出給与は、損金にできる。ということです。          
  大事なのは、この点です。                        
                                     
  回答の中に、次のような事案の説明があります。                  
    3月決算法人が、平成18 年6月26 日から平成19 年6月25 日までを職務執行期間とする役員に対し、
    平成18 年12 月及び平成19 年6月にそれぞれ200 万円の給与を支給することを定め、  
    所轄税務署長に届け出た場合において、平成18 年12 月には100万円しか支給せず、  
    翌年6月には満額の200 万円を支給したときは、                
                                     
  図解します。           未払                  
                  事前確定届出給与に該当する部分。                  
                                     
                                     
            定期 同額 給与 該当する部分                
                                       
                                     
H18.4.1 H18.6.26         H18.12.25     H19.3.31 H19.6.25      
                                     
回答 その職務執行期間に係る支給の全てが定めどおりに行われたとはいえないため、      
  その支給額の全額(300万円)が事前確定届出給与には該当せず、損金不算入となります。    
                                     
つまり この場合は、18年12月支給分も、19年6月支給分も、全額、損金にはならないと言っています。
                                     
                                     
賞与   国税庁の事案は、                            
  役員も、従業員と同じように、夏冬の賞与を同じ時期に取られてはどうですかという事案です。
  従業員の賞与を決める立場にある役員も、人の子です。やはり、賞与はほしい。        
                                     
ポイント 6月の時点で、12月までの会社の利益がわかるのかという問題があります。        
  予想売上高の把握は難しく、どの経営者の方も、否定的です。              
                                     
  一体、どれくらいの賞金額がほしいのですか?                  
  100万円の定期同額給与の役員が、事前確定届出給与として、500万円を請求するとすると    
  ちょっと、先行きの利益が気になっても、とても、事前確定届出をする気にもならないと思います。  
  では、少額の金額の届出はどうですか?                      
  100万円の定期同額給与の役員が、事前確定届出給与として、冬に50万円と夏に50万円というな金額に
  すれば、支払いすることができるのでないか?                    
                                     
  いつ、支払うのかということ。                        
  事業年度の利益計画で、たとえば、役員報酬1500万円と決めたとする。          
  そのうち、1200万円を定期同額給与として、残りを事前届出給与とすることも考えられる。    
  要は、支払時期の分散です。資金繰りと絡んできます。                
                                     
  次の問8の事案は、もっと、ストレートに回答しています。                
                                     
                                       
問8   当社(年1回3月決算)では、平成18 年5月26 日の定時株主総会において、取締役Aに対して、
    定期同額給与のほかに、「平成18 年5月26 日から平成19 年5月25 日までの役員給与として
    平成18 年6月30 日及び同年12 月25 日にそれぞれ300万円を支給する」旨の定めを決議し、
    届出期限までに所轄税務署長へ届け出ました。                
    この定めに従って支給した平成18 年6月30 日及び同年12 月25 日の役員給与は、    
    事前確定届出給与として、当期(平成19 年3月期)において損金の額に算入できるでしょうか。
                                     
H18.6.25 支払       H18.12.25 支払                    
                                     
                                     
                                     
            定期 同額 給与 該当する部分                
                                       
                                     
H18.4.1 H18.5.26                 H19.3.31        
                             
                                     
回答 (職務執行期間の中途で支給した事前確定届出給与)について、次のように回答しています。  
  使用人への賞与が盆暮れの時期に支給されているのが一般の企業慣行であることを考えると、  
  役員に対して同時期に賞与を支給することはあながち不自然なことではないともいえます。    
  そこで、法人が、役員への賞与の支給時期を使用人への盆暮れの賞与と同じ時期とし、  
  かつ、毎期継続して同時期に賞与の支給を行っている場合には            
  事前確定届出給与として当該事業年度の損金の額に算入することとして差し支えありません。  
                                     
                                     
つまり 全額、損金算入できると言っています。                    
  ただし、条件があります。青色の部分です。 再掲します。              
  @ 役員への賞与の支給時期を使用人への盆暮れの賞与と同じ時期とする。      
  A 毎期継続して同時期に賞与の支給を行うこと。                
                                     
ポイント 3月決算企業については、上記の説例がそのまま、利用できます。            
  資金繰りという点からは、否定的な考えも出てきます。                
  従業員の賞与の資金繰りは、大変です。同じ時期に支出が増えるのも、考えものです。    
                                     
社会保険料はどうなる                                
  例えば、 合計1500万円という場合で                    
  【A】 定期同額給与で月100万円+事前確定届出300万円(2回払い)          
  【B】 定期同額給与で月125万円+事前確定届出なし                
  2つの支払の仕方で、社会保険の本人負担額を考えてみます。            
  平成19年4月1日以降の社会保険料率表によります。                
                                     
  【A】 定期同額給与給与は、 91,597 事前確定届出給与は、 180,540      
  【B】 定期同額給与給与は、 102,441 事前確定届出給与は、 0      
                                     
  合計金額は、                              
  【A】   1,279,704                          
  【B】   1,229,292   この場合は、【B】の方がやや、少ない。        
  この場合は、社会保険料から考えると、賞与という形でない方がいいのか?        
                                     
  金額により、いろいろとシュミレーションが必要になる。                
                                     
賞与   賞与金額を絞って、従業員と同じ時期に、賞与を取ってみるのはいかがですか?      
  せっかく、国税庁も、気をきかせてくれているのを利用しなという手はないとおもいます。    
                                     
条件 株主総会を合法的に開いていますか?                      
  株主総会の議事録はありますか?                        
  税理士に相談して、事前の届出をすぐに、出せますか?                
  形式的な条件のクリアーも、必要です。                      
                                     
支給年月日 届出書には、『支給年月日』を記入しなければなりません。              
  賞与の支給日を、支払間際に決めるのではなく、事前に決めておかなければならなくなる。    
                                     
なかがわ会計 いろいろと、ハードルはありますが、なかがわ会計は提案していきたい。          
                                     
                                     
                                     
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